牛肉・豚肉のPFC比較|部位で脂質は約10倍違う【もも・ヒレ・バラ・ひき肉】
出典: 日本食品標準成分表(八訂)増補2023年(文部科学省)
「赤身肉は脂っこい」は部位次第で誤りです。 豚もも(赤肉)は100gあたり脂質3.6g・119kcalで、たんぱく質効率18.6gは鶏もも肉(皮なし・16.8g)を上回ります。 一方で豚バラは脂質35.4gと約10倍。同じ豚でも別の食品と考えたほうが実態に合います。
たんぱく質源というと鶏むね肉が定番ですが、飽きて続かないという声も多い部分です。牛・豚は部位を選べば鶏に匹敵する数値になります。ここでは主要11部位を数値で比較しました。
部位別のPFC(100gあたり)
脂質の少ない順に並べています。
| 部位 | エネルギー | たんぱく質 | 脂質 | たんぱく質効率 |
|---|---|---|---|---|
| 豚もも(赤肉) | 119 kcal | 22.1 g | 3.6 g | 18.6 g |
| 牛ヒレ(赤肉) | 123 kcal | 20.5 g | 4.8 g | 16.7 g |
| 焼き豚(チャーシュー) | 166 kcal | 19.4 g | 8.2 g | 11.7 g |
| 豚こま切れ肉 | 171 kcal | 20.5 g | 10.2 g | 12.0 g |
| 牛もも(赤肉) | 176 kcal | 21.3 g | 10.7 g | 12.1 g |
| ラムもも | 164 kcal | 20.0 g | 12.0 g | 12.2 g |
| 豚ひき肉 | 209 kcal | 17.7 g | 17.2 g | 8.5 g |
| 豚ロース(脂身つき) | 248 kcal | 19.3 g | 19.2 g | 7.8 g |
| 牛ひき肉 | 251 kcal | 17.1 g | 21.1 g | 6.8 g |
| 牛肩ロース | 295 kcal | 16.2 g | 26.4 g | 5.5 g |
| 豚バラ | 366 kcal | 14.4 g | 35.4 g | 3.9 g |
すべて生の可食部100gあたりの値です。たんぱく質効率=100kcalあたりのたんぱく質量(g)。調理により脂が落ちる・水分が飛ぶため、加熱後の値は変動します。
鶏肉と比べるとどうか
「たんぱく質源=鶏むね」という前提を、数値で確認してみます。
| 部位 | エネルギー | たんぱく質 | 脂質 | たんぱく質効率 |
|---|---|---|---|---|
| 鶏ささみ | 98 kcal | 23.9 g | 0.8 g | 24.4 g |
| 鶏むね肉(皮なし) | 105 kcal | 23.3 g | 1.9 g | 22.2 g |
| 豚もも(赤肉) | 119 kcal | 22.1 g | 3.6 g | 18.6 g |
| 鶏もも肉(皮なし) | 113 kcal | 19.0 g | 5.0 g | 16.8 g |
| 牛ヒレ(赤肉) | 123 kcal | 20.5 g | 4.8 g | 16.7 g |
| 鶏もも肉(皮つき) | 190 kcal | 16.6 g | 14.2 g | 8.7 g |
豚もも赤肉(18.6g)は鶏もも肉・皮なし(16.8g)を上回ります。鶏むね・ささみには及ばないものの、赤身の豚・牛は十分に「高たんぱく食材」の範囲に入るということです。逆に鶏もも肉の皮つき(8.7g)は、牛もも赤身(12.1g)より効率が低くなります。肉の種類より部位と皮・脂身の有無のほうが影響が大きいのが実態です。
数値から読み取れること
- 脂質の幅が約10倍: 豚もも3.6gから豚バラ35.4gまで。同じ100gでもカロリーは119kcalと366kcalで3倍以上違います。「豚肉を食べた」だけでは栄養管理になりません。
- ひき肉は思ったほどヘルシーではない: 豚ひき肉17.2g・牛ひき肉21.1gと、脂身を含んだ状態で売られているためです。麻婆豆腐のようなひき肉料理は、鶏ひき肉(脂質12.0g)に替えるか豆腐でかさ増しすると数値が変わります。
- 「赤肉」と「赤身」は表示の読み方に注意: 成分表の「赤肉」は脂身を除いた部分の値です。スーパーの「もも肉」は脂身がついたまま売られていることも多く、その場合は表の値より脂質が高くなります。
- 牛ヒレは高価だが数値は優秀: 123kcal・脂質4.8gは鶏もも肉(皮なし)並みです。頻度は低くても、選ぶ価値のある部位です。
- 鉄分・亜鉛は赤身肉の強み: PFCだけを見ると鶏むねが有利ですが、赤身肉には鶏むねより多く含まれる栄養素もあります。鶏むね一辺倒にせず組み合わせる理由になります。
目的別の選び方
- 減量期: 豚もも赤肉・牛ヒレの2択。脂質5g以下で鶏に近い数値になります。
- 増量期: 牛もも・豚こま切れ。脂質10g前後でカロリーも確保でき、価格も現実的です。
- 控えたいとき: 豚バラ・牛肩ロースは脂質が突出します。避けるというより「食べる日を決める」ほうが続きます。
- ひき肉を使うなら: 牛豚合いびきより鶏ひき肉、または豆腐と半々にすると脂質を抑えられます。
牛・豚を使った当サイトのレシピ
- 【500kcal以内でタンパク質40g】豚もも生姜焼きプレート — 472kcal・P41.4g・F6.4g
- 豚もも肉の生姜焼き丼 — 682kcal・P51.7g(当サイト最高のたんぱく質量)
- 豚ももとキャベツの味噌炒め定食 — 643kcal・P42.0g・F11.9g
- 牛ももステーキ丼 — 689kcal・P38.9g
いずれも脂質の少ない「もも」を使っています。生姜焼きは豚ロースで作られることが多い料理ですが、もも肉に替えるだけで脂質が3分の1程度になります(ロース19.2g→もも3.6g/100gあたり)。
本記事は栄養成分の比較であり、特定の健康効果を保証するものではありません。数値は生の可食部100gあたりの標準成分値で、個体・産地・カットにより変動します。加工肉・赤身肉の摂取量については各種のガイドラインがあるため、疾患をお持ちの方は医師・管理栄養士にご相談ください。